拭き取り化粧水は、洗顔では落としきれない古い角質や毛穴の奥の汚れを落とし、つるんとなめらかな肌に整えるスキンケアアイテムです。

いつものスキンケアにプラスするだけで、乾燥や古い角質によるくすみ*¹をケアして明るい印象の肌に整え、さらに、その後の化粧水や美容液がなじみやすい土台を作るなど、嬉しい効果が期待できます。

拭き取り化粧水とは? – 役割と効果について

拭き取り化粧水は、その名の通り、コットンに含ませて肌を拭き取ることで、通常の洗顔では落としきれない汚れや古い角質を取り除くことを主な役割としています。

洗顔後、肌にはクレンジングや洗顔料の洗い残し、余分な皮脂、古い角質、そして毛穴の奥の汚れなどが残っていることがあります。これらを放置すると、毛穴詰まりやニキビ、乾燥や古い角質によるくすみ*¹、肌のゴワつき、ザラつきなどの原因となることも。

拭き取り化粧水は、汚れや古い角質を優しく取り除くことで、後に使うスキンケアアイテムがなじみやすい肌に整えてくれます。

肌を清潔な状態に整え、健やかな肌のターンオーバーを促す、それが拭き取り化粧水の役割です。

収れん化粧水との違い

拭き取り化粧水と混同されやすいものに「収れん化粧水」があります。

拭き取り化粧水 洗顔では落としきれない古い角質や、ザラつき、毛穴の奥の汚れなどを優しく取り除くことが主な目的。
収れん化粧水 肌を引き締め、皮脂分泌を抑えることが主な目的。(アルコールを含むことが多い)

収れん化粧水は、肌を引き締め、一時的に毛穴が目立たないように見せたり、皮脂の分泌を抑える効果が期待できます。主に脂性肌や混合肌の方におすすめです。

一方、拭き取り化粧水は、肌質を問わず使えるものが多く、アルコールフリーのものや、肌のうるおいを守る成分を配合したものなど、様々な種類があります。

最近では、両方の機能を持つ製品も増えてきています。

拭き取り化粧水を使うことで得られるメリット

拭き取り化粧水を使うことで、具体的にどんな良いことがあるのか。ここでは、そんな疑問にお答えするため、拭き取り化粧水を使うことで得られる様々なメリットについて、紹介していきます。

洗顔だけでは落としきれない汚れを除去

メイク残りや毛穴に詰まった皮脂、古い角質などをすっきりオフ。肌を清潔な状態に保ち、ニキビや毛穴の黒ずみ*³などの肌トラブルの予防してくれます。

肌のターンオーバーを整え、健やかな肌を保つ

古い角質を取り除くことで、肌の生まれ変わりをサポートし、乾燥や古い角質によるくすみ*¹のない、透明感*⁴あふれる肌へと導いてくれます。

後に使うスキンケアアイテムが浸透*²しやすい状態の肌になる

不要な角質がなくなることで、化粧水や美容液、クリームなどの保湿成分や美容成分が、肌の奥まで*²しっかり届きやすい肌の状態になります。

毛穴詰まりやニキビ、乾燥や古い角質によるくすみ*¹などの肌トラブルを予防

毛穴の詰まりや古い角質の蓄積を防ぎ、ニキビや肌荒れ、乾燥や古い角質によるくすみ*¹のない、健やかな肌を保ってくれます。

あわせて読みたい:拭き取り化粧水はニキビを悪化させる?ニキビへの効果や正しい使い方を紹介

肌のゴワつきを解消し、なめらかな肌触りに

古い角質を取り除くことで、肌のゴワつき、ザラつきを解消し、触りたくなるような、つるんとなめらかな肌へ状態へ導いてくれます。

いつものスキンケアに拭き取り化粧水をプラスするだけで、これらの効果を実感し、ワンランク上の美肌を目指せるでしょう。

拭き取り化粧水の効果的な使い方・使う順番

拭き取り化粧水はいつ、どのように使うのが効果的なのでしょうか。ここでは、拭き取り化粧水の効果を最大限に引き出すための、正しい使い方と順番、そして使用頻度について紹介していきます。

基本の順番は洗顔後、化粧水の前に

拭き取り化粧水は、クレンジングや洗顔で落としきれなかった汚れや古い角質を取り除くためのアイテム。 いつものスキンケアにプラスすることで、その後に使う保湿化粧水や美容液などがなじみやすい肌状態に整えてくれます。

基本的な順番は以下の通りです。

  1. クレンジング
  2. 洗顔
  3. 拭き取り化粧水
  4. 保湿化粧水
  5. 美容液
  6. 乳液/クリーム

洗顔後、清潔な状態の肌に拭き取り化粧水を使うことで、不要な汚れや古い角質をしっかり取り除く。これにより、保湿化粧水や美容液などのなじみがよくなり、スキンケア効果をより実感しやすくしてくれます。

使用頻度は週2〜3回が目安

「拭き取り化粧水って毎日使ってもいいの?」と疑問に思う方もいるかもしれません。 基本的には、週2〜3回を目安に、肌の状態に合わせて使用頻度を調整しましょう。

肌質別の使用頻度の目安は、以下の通りです。

こちらは、あくまで目安です。

「肌が乾燥してきたな」「少し刺激を感じるな」と思ったら、すぐに使用頻度を減らすか、使用を中止しましょう。 また、生理前や季節の変わり目など、肌がデリケートになっている時期も、使用頻度を調整したり、使用を控えたりするのがおすすめです。

拭き取り化粧水の基本的な使い方

それでは、拭き取り化粧水の基本的な使い方を、ステップごとに詳しく見ていきましょう。

ステップ① 乾いたコットンに500円玉大より少し多めに拭き取り化粧水を含ませる

乾いたコットンに、500円玉大より少し多めの量の拭き取り化粧水を含ませます。

コットンは、大判で厚みがあり、肌あたりの優しいものがおすすめです。コットンがひたひたになるくらいたっぷりと含ませましょう。量が少ないと、摩擦の原因となり、肌を傷つけてしまう可能性があります。

ステップ② コットンで顔全体を優しく拭き取る

初めて使用する場合は、額やあごなど、比較的皮膚が厚い部分から使い始めるのがおすすめです。目元や口元など、皮膚が薄くデリケートな部分は避けてください。

顔の中心から外側に向かって、下から上に向かって、優しく滑らせるように拭き取ります。小鼻の周りや顎など、角質や皮脂が溜まりやすい部分は、コットンを指に巻き付け、丁寧に拭き取ると効果的です。

人によっては、成分の作用でピリピリとした刺激を感じることがありますが、これは一時的なものであれば問題ありません。ただし、刺激が長く続くようでしたら、すぐに水で洗い流し、使用を中止してください。

ステップ③ ハンドプレスでなじませ、すぐに保湿ケア

拭き取り後、清潔な手のひらで顔全体を優しく押さえるようにして、化粧水をなじませます。こうすることで、肌に馴染みやすくなります。

拭き取り後は、肌が乾燥しやすい状態になっているため、すぐに保湿化粧水、美容液、乳液、クリームなどで保湿ケアを行いましょう。

なお、拭き取り化粧水は、基本的に洗い流す必要はありませんが、ピリピリとする刺激が苦手な方や、刺激が長く続くように感じるときは洗い流しても問題ありません。水で洗い流しても肌表面はツルツルになり、拭き取り化粧水の効果はしっかり肌に届いています。

拭き取り化粧水を使う上での注意点

拭き取り化粧水は、正しく使えば美肌の強い味方になりますが、使い方を間違えると肌トラブルの原因になることも…。ここでは、拭き取り化粧水を使う上で、特に注意したいポイントを肌質別に紹介していきますね。

肌質別の注意点

自分の肌質に合った注意点をしっかり守って、拭き取り化粧水を安全に使いましょう。

乾燥肌の人が拭き取り化粧水を使う際のポイント

乾燥肌の人は、拭き取り化粧水を使うときに注意が必要です。ただし、正しく使えば肌に良い効果をもたらすこともあります。

乾燥肌の主な原因の一つは、肌のターンオーバーの乱れです。古い角質が肌に蓄積すると角質が厚くなり、保湿成分が肌の奥まで浸透*²しにくくなります。その結果、乾燥がさらに進んでしまうことがあります。

拭き取り化粧水を使う場合、まずは週1回以下の頻度で試してみましょう。肌の調子を見ながら、使用頻度は多くても週2回までにとどめてください。もし乾燥が気になる場合は、無理して使わず控えることをおすすめします。

また、拭き取り後は徹底した保湿ケアを心がけましょう。化粧水や美容液、乳液、クリームなどを使って、しっかり保湿してください。特に乾燥が気になるときは、シートマスクや保湿パックを使って集中的にケアするのも効果的です。

拭き取り化粧水を使っているときに赤みやかゆみ、ヒリヒリ感などの刺激を感じた場合は、すぐに使用を中止し、皮膚科医に相談してください。

脂性肌・ニキビ肌の人が拭き取り化粧水を使う際のポイント

脂性肌やニキビが気になる方にとって、拭き取り化粧水は効果的なアイテムです。ただし、間違った使い方をすると肌に負担をかけ、逆効果になることもあるため、正しい方法で使いましょう。

拭き取り化粧水は、「AHA(グリコール酸や乳酸など)」や「BHA(サリチル酸)」といった成分が配合された製品を選ぶのがおすすめです。これらの成分は、毛穴の詰まりやニキビに効果的にアプローチします。使用頻度は週3〜4回を目安にし、肌の状態を見ながら調整してください。もし刺激や肌の異常を感じた場合は、使用頻度を減らしたり、使用を控えたりして様子をみましょう。

また、拭き取り方にもポイントがあります。皮脂分泌が多く毛穴の詰まりやすいTゾーン(額、鼻、あご)は丁寧に拭き取り、それ以外の部分は強くこすらず、やさしくなでるように拭き取るのがコツです。

使用後は必ず化粧水や乳液などを使って十分な保湿ケアを行い、肌のバリア機能をサポートしましょう。万が一、ニキビが悪化したり、強い刺激を感じたりした場合は、すぐに使用を中止して皮膚科医に相談してください。

敏感肌の人が拭き取り化粧水を使う際のポイント

敏感肌の人にとって、拭き取り化粧水の使用は特に注意が必要です。

​まず、アルコールや香料などの刺激成分を含まない、低刺激性の製品を選ぶことが重要です。​

使用前には、腕の内側などでパッチテストを行い、肌に異常が出ないか確認しましょう。​

使用頻度は週に1〜2回程度から始め、肌の状態を見ながら調整してください。​コットンに化粧水をたっぷり含ませ、肌をこすらず、優しくなでるように拭き取ることで、摩擦による刺激を最小限に抑えられます。​

使用後は、化粧水や乳液でしっかりと保湿し、肌のバリア機能をサポートしましょう。​もし赤みやかゆみなどの異常を感じた場合は、すぐに使用を中止し、皮膚科専門医に相談することをおすすめします。

全ての肌質に共通する注意点

肌質に関わらず、拭き取り化粧水を安全に、効果的に使うためには、以下の点に注意しましょう。

日焼け止めは必須!(SPF20以上)

拭き取り化粧水で古い角質を取り除いた後の肌は、紫外線の影響を受けやすく、シミ、シワ、乾燥などの原因になります。外出前の朝はもちろん、日中室内で過ごす場合でも、SPF20以上の日焼け止めを必ず塗りましょう。

顔そり後や傷がある時は使用NG

顔そり直後や、ニキビ、傷、湿疹などがある場合は、拭き取り化粧水の使用は控えましょう。肌がデリケートな状態になっているため、刺激を与えると肌トラブルが悪化する可能性があるからです。

摩擦は厳禁!優しく拭き取る

ゴシゴシこすると、肌を傷つけ、赤み、ヒリヒリ感、肌荒れの原因になります。コットンにたっぷりと化粧水を含ませ、肌の上を滑らせるように、優しく拭き取りましょう。

これらの注意点を守って、拭き取り化粧水を正しく使い、健やかな美肌を目指しましょう。

拭き取り化粧水でよくある質問

拭き取り化粧水について、よくいただく質問にお答えします。

拭き取り化粧水は朝と夜、どっちで使うのが良い?

基本的には、夜のスキンケアでの使用がおすすめです。

日中に受けた肌ダメージ(紫外線、乾燥、ほこりや排気ガスなどの汚れ)をリセットし、寝ている間の肌の再生をサポートするためです。

もちろん、朝のスキンケアに取り入れてもOK。寝ている間の皮脂や汗、ほこりなどを取り除き、メイクのりを良くする効果が期待できます。

ただし、乾燥肌や敏感肌の方は、朝の使用は避けるか、保湿重視の拭き取り化粧水を選び、使用頻度を控えめにするのがおすすめです。また、朝に拭き取り化粧水を使う場合は、必ず日焼け止めを使用しましょう。

拭き取り化粧水って肌に悪くないの?

拭き取り化粧水は、正しく使えば肌に悪いものではありません。しかし、使い方や製品によっては、肌に負担をかけてしまうこともあります。

肌への負担を避けるためには、

といった点に注意しましょう。

また、アルコール成分やAHA、BHAなどの角質ケア成分が高濃度で配合されている製品は、肌への刺激が強くなる可能性があります。敏感肌の方や、初めて拭き取り化粧水を使う方は、低刺激処方の製品を選んだり、パッチテストを行ったりすることをおすすめします。

もし、使用中に赤み、かゆみ、ヒリヒリ感などの異常が現れた場合は、すぐに使用を中止し、皮膚科医に相談してください。

あわせて読みたい:拭き取り化粧水は本当に肌に悪いの?デメリットと正しい使い方を紹介

拭き取り化粧水と普通の化粧水って何が違うの?

拭き取り化粧水と普通の化粧水(保湿化粧水)は、役割と目的が異なります。

つまり、拭き取り化粧水は「落とすケア」、普通の化粧水は「与えるケア」と考えると分かりやすいでしょう。 どちらか一方を使うのではなく、両方を組み合わせて使うことで、より効果的なスキンケアができます。

拭き取り化粧水は洗顔代わりになる?

朝の洗顔代わりに拭き取り化粧水を使うことは、忙しい時や、肌の乾燥が気になる時には便利な方法です。寝ている間の余分な皮脂や汗、ほこりなどを手軽にオフできます。

ただし、拭き取り化粧水は、あくまで洗顔の補助的な役割です。メイクをしている場合や、皮脂汚れがひどい場合は、クレンジングや洗顔料でしっかり汚れを落としてから、拭き取り化粧水を使いましょう。

また、乾燥肌や敏感肌の方は、朝の洗顔料の使用を控え、拭き取り化粧水のみで済ませることで、肌の乾燥を防げる場合もあります。ただし、肌の状態に合わせて、洗顔料を使うかどうかを判断しましょう。

あわせて読みたい:朝洗顔なしはOK?拭き取り化粧水を朝洗顔代わりに使うメリット・デメリットを紹介

拭き取り化粧水を毎日のスキンケアにプラスして、ワンランク上の素肌へ!

拭き取り化粧水は、通常の洗顔では落としきれない古い角質や汚れをオフしてくれるスペシャルアイテム。正しく使えば肌の透明感アップやその後の美容成分の浸透*²を高める強い味方になってくれます。

肌のターンオーバーが正常化されることで、毛穴の詰まりやニキビ、くすみ*¹などの肌トラブルを予防できます。また、ターンオーバーの乱れが原因の乾燥肌の方も、古い角質を適切に取り除くことで、潤いを受け入れやすい肌環境へと整えられます。

使用する際は、洗顔後・通常の化粧水の前に取り入れ、肌質に合わせた頻度(普通肌なら週2〜3回)で使うことがポイント。コットンに取って優しく拭き取り、必ずその後は保湿ケアを行いましょう。

敏感肌や乾燥肌の方は使用頻度を控えめにし、外出前に使う場合は日焼け止めを忘れずに。肌質や悩みに合った製品選びも成功のカギです。

拭き取り化粧水を正しく取り入れて、より健やかで美しい肌を目指しましょう。

*¹ 汚れの蓄積、古い角質層によるもの

*² 角質層まで

*³ 乾燥や古い角質による

*⁴ 潤いによる